みんな見ている店頭POP

コロナ禍ということもあり、ランチ営業、テイクアウト販売に参入した居酒屋さんも多いのではないでしょうか?
ただ店舗の立地によってはランチを始めても周知させるのが大変。入口が2階であれば店先を歩くサラリーマンに気づいてもらえません。
長年ランチ営業をしているお店であれば、その地域で「ランチのお店」と認知されているのに対し、普段は居酒屋をしているお店だとランチのイメージはないのでランチ時には素通りされてしまうことが多いでしょう。
そこで重要なのは店頭POP。ネット広告やSNSで告知するよりももっと手軽に街の人々にアプローチができるのは店頭POPです。
その地域で仕事をしている人や専門学校に通っている人など、ランチの時間帯に店先を歩いているすべての人がお客さんになる可能性があり、その集客は店頭POPの出来栄えに左右されます。

POPに力を入れているお店が勝ち残る

私の近所の話を少しだけ。。
私の近所ではこの1年でランチ営業の店舗はかなり増えました。徒歩10分以内で新しく増えた店舗は唐揚げ屋さん、唐揚げ屋さん、お寿司屋さん、ラーメン屋、ファミレス、焼肉屋。
特にお寿司屋さんは以前からあるお寿司屋さんの道を挟んで斜め前に出店しました。
そうなると寿司店によるランチ戦争が勃発してしまいます。
新しいお寿司屋さんはオープン当初は行列ができていましたが、しばらくすると以前からあるお寿司屋さんが500円丼の始めそちらが繁盛。その後、反撃のため新しいお寿司屋さんは680円の限定ちらし寿司を出しましたが、やっぱり500円丼の方が分がありそう。
そんな中、2つの寿司店の間にある居酒屋さんが「日替わり焼き魚定食」を始めました。
その居酒屋さんは2階に店舗があるのでランチ営業には苦戦しているようでしたが、1階に出しているPOPには力を入れていて、ランチ定食のメニューもどんどん増えてきていました。
それまではランチで魚を食べようと思ったら、寿司屋か、からあげ屋のアジフライ定食だったので、焼き魚定食はありがたい。私含め中年のおじさん達でその居酒屋はランチ時も賑わうようになりました。
・・・と、無駄に長文を書いてしまいましたが、店頭POPで重要なのは以下の3ポイント。
手書きですぐに始められる店頭POP。ランチ営業をするなら店頭POPに力を入れてみてください。

【POINT1】周辺のお店のPOPをチェックする

ランチ営業でライバルとなるのはランチ営業をしている周辺のすべての飲食店。
あらかじめ「今日はこの店」と決めている人もいれば、オフィスの周辺をぶらぶらして気になるお店に入るという人もいます。まずは周辺の飲食店がランチで何を出しているのか、どういう店頭POPを展開しているのかチェックしてみましょう。そこで見るべきは以下のポイントです。ただ、そんなに真剣に細かくチェックする必要はありません。周辺を歩き何気なく店頭POPを見て、気になる店があればライバル店です。一般のお客さんがランチでお店を探すのと同じような感覚で見ることが重要です。

  • ランチメニューの価格
    やっぱり一番重要なのは値段です。ランチ平均1000円の地域で500円の店頭POPはそれだけで目立ちます。そして500円に釣られて店の中に入ったとしても、500円以外のメニューも気になり、結局本人の予算内のメニューを頼んでしまう人も多いです。
  • 何を出しているか
    できれば昨日食べたものとは別のものを食べたいと思うはず。1ヶ月カレーばかりという人もいますが、そういう人は稀です。「魚は最近食べてないな」と思ったらその日じゃなくても近日中にそのお店には入ることになるでしょう。
    近所のお店にはないようなメニューがあるならそれを店頭POPに加えてみるのもいいかもしれません。
  • 店頭POPの更新頻度
    チェーン店だと週1くらいで新しいPOPを見ますが、個人店でも「今日の日替わりはサバ味噌」というメニューボードを出して毎日変更しているお店もあります。
    店頭POPはお店に入らない人も見ています。「うわ、今日サバ味噌だったのか。ここにすればよかった」と一度気になると、店の前を通るたびに今日の日替わりが何か確認するようになります。周辺店の店頭POPの更新頻度もチェックしておきましょう。

【POINT2】店頭POPでは周辺店にはない強みをアピール

周辺店を確認したら、他店にはない強みがなにかないか検討してみましょう。
それは「値段」「量」「食材」や「こだわり」など、いろいろあると思います。
まずは周辺にはない部分を強調してPOPを作ってみましょう。
メニューの写真もあればよいですが、文字だけでも問題ありません。
「冷やし中華はじめました」だけで、好きな人は冷やし中華を頼んでしまうものです。
小手先ですが何もないなら「装飾語」をつけるだけでもいいです。直接メニュー名に装飾語を加えると店内のメニュー名も変更しなければならないので、一文添えるカタチが無難です。

  • 究極のほっけ入荷!! ほっけ定食 800円
    ラーメンや唐揚げならよく食べるので「究極」と言われても見慣れている気がしますが、「究極のほっけ」って何?となります。
  • 店長もびっくり。まかない丼 500円
    文字だけではまったく想像できません。気になります。
    ※ただ想像できないものは高すぎるとスルーされます。
  • 2月20日はカツカレーの日。カツカレー 777円
    「◯◯の日」を勝手に作ってしまうのもありです。「どうしてカツカレーの日なの?」と聞かれるので、ちょっとした根拠もつけましょう。

重要なのは店頭POPが店先を歩く人の目に留まることです。
そのために店頭POPは更新・追加することが大事。昨日と違うものだと目に留まりやすいのです。

【POINT3】店頭POPには書いていない「お得感」を出す

そして、もっとも重要なのが「お得感」です。これはリピート率に影響します。
お得感は価格ではありません。
例えば500円の唐揚げ弁当を買って、弁当の箱を開けてみた時に唐揚げとご飯だけだとなんだか物足りません。ポテトサラダが入っていると嬉しいですが、それがすごく少量でお弁当箱がスカスカだとがっかり。もちろん500円だし期待通り、店頭でみた写真のとおりなのですがうーん。。って感じがします。逆にポテトサラダにきんぴら牛蒡、唐揚げの下にパスタが敷いてあったりするとすごく得したような気がします。
この「お得感」というのは一種のサプライズで得られることが多いです。例えば以下の5つ。

  • 定食の味噌汁に魚の切り身が入っていた
  • 唐揚げ4個頼んだらおまけで5個になっていた
  • テイクアウトを注文したらラッシーをくれた
  • 「替え玉無料なの!?」
  • ドリンクバーにソフトクリームもあった

お得感があれば、「この店を選んで正解だった」と思う可能性が高く「また行こう!」に繋がります。そうなってしまえば、ポイントカードや割引券なんかはなくても通います。

【POINT4】店頭POPは更新追加すべき

日替わり定食があればそれを毎日メニューボードに書いて店頭に出しておけばよいですが、別に新メニューがなくても、通常メニューから周辺店にないものを選んでPOPにするのでもよいと思います。とにかく定期的に更新することが大事。
店先を歩く人へ向けてのメッセージや店員の日記でもよいです。また「メニューの予告」も面白いです。

「今日からカレー仕込むので明日食べにきてね」と書いてあると「じっくりコトコト一晩煮込んだカレーか」と思って気になる人は多いはず。
凝ったデザインのPOPは必要ありません。いろいろ試してどのPOPでお客さんが増えるかを試してみてください。

以上となります。
書き下ろしのため、誤字があればお会いした時にでも指摘願います!